佃島残江戸面影(つくだにのこるえどのおもかげ)
『佃島残江戸面影』のメイキング映像
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『佃島残江戸面影』 作品紹介
絵師:マテウシュ・ウルバノヴィチ
彫師:三代目関岡扇令
摺師:伊藤達也
年代:2020年
UKIYO-E PROJECTオリジナルの風景画第1弾。本作品は、東京月島駅より徒歩4分、江戸の情緒を残しながらも高層マンションが立ち並ぶ、現代の佃島の風景を描いた作品です。川面に映った面影は江戸から現代まで、途切れず続いて映し出されています。
浮世絵の歴史を振り返ると過去にもポール・ジャクレー、エリザベス・キース、ノエル・ヌエットなど、非常に優秀な外国人絵師が描いた新版画が多数存在します。UKIYO-E PROJECTもその歴史にならい、この度、ポーランドからマテウシュ・ウルバノヴィチさんを絵師に迎え、佃島の風景画の制作しました。
浮世絵は木版画のため、色版を変えることにより、四季折々の風景を表現することができます。その木版画の特性を活かし、「春」「夏」「秋」「冬」の4バージョンと、墨線(輪郭線)だけ摺った計5タイプが完成しました。
価格(税込)
各季節:50,000円
春夏秋冬セット(限定30部):170,000円
墨摺:30,000円
作品仕様
エディション:各季節限定100枚、墨摺限定100枚
サイズ:中判 18.5 × 24.2 cm
材質/用紙:奉書紙「越前生漉奉書」
※注意事項
・各作品に絵師の直筆サインとエディションNo.が入っております(エディションNo.の選択は出来ません)。
・各作品に鑑定書を付属致します。
・それぞれのエディションは100で全て摺り終わった後は、今後のワークショップなどで皆さんに実際に摺り体験で摺っていただく予定です。
・ 江戸時代から、江戸っ子は、「すべてオリジナル」として、浮世絵を楽しんでいました。UKIYO-E PROJECTはそれに倣い「一枚一枚すべてがオリジナル」と考えています。
・作品は特注の紙たとう(専用ケース)に入れた後、厳重に梱包しお送りします。
・額装をご希望の方は、オプションでお選び頂けます。
絵師:マテウシュ・ウルバノヴィチ
1986年 ポーランド生まれ 東京在住
神戸芸術工科大学で漫画やアニメーションの研究をし、卒業後、 2013年からアニメーションスタジオ「コミックス・ウェーブ・フィルム」へ入社。『花とアリス殺人事件』『君の名は。』など数多くの背景美術を担当。
2017年から独立し、画集『東京店構え マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集』、『東京夜行 マテウシュ・ウルバノヴィチ作品集Ⅱ』を出版し、Webアニメーション『すすめ、カロリーナ』で監督、脚本、背景担当するなどと、現在背景美術に留まらず様々な分野で活躍中。
コメント:
「桜、小さな神社、そして中央に架かる橋。
佃島の雰囲気がとても好きで、よく散歩するのですが、この場所が一番好きです。江戸では水路に木製の素晴らしい橋、そして船を利用して物を運んでいたことを思い出させてくれるのです。現在そういったものたちがなくなってしまったのが残念ですが、こういう場所に行くと、過去を少しでも感じて想像することができるのです。あと、左奥に銭湯を描いたのも好きです!モダンなタワーマンションとの対比もポイントです。」
彫師:三代目関岡扇令
1957年 東京生まれ 荒川区在住
代々摺師の家系に生まれたが、父・二代目扇令の勧めにより、19歳から彫師の道に入り、大倉半兵衛氏に弟子入りする。7年の修行を積み、2013年10月に「三代目関岡扇令」を襲名した。
38年ものキャリアを持つその高い技巧は、単に原画に忠実に彫るだけではなく、原画の甘い線を補完した彫りもこなす、創造性の高い手腕を有している。浮世絵の古典的なデザインだけでなく、新版画や現代版画といった新しいデザインの彫り作業にも次々とチャレンジしている。また、後世の彫師育成の為、積極的に弟子を受け入れている。
摺師:伊藤達也
1965年 東京生まれ 根津在住
1985年、20歳で幾馬系四代目伊藤智郎の後を継ぎ、師匠小川文彦の元で約3年修行。1995年に東京都優秀技能者知事賞を受賞する。
その後20年間以上、日本にとどまらず、オーストリア、ハンガリー、フランス、オーストラリア、ワシントンなど、世界各地の美術館や博物館、文化関連の施設にて摺の実演およびワークショップを担当し、摺の技術や浮世絵の魅力を幅広く伝えている。
和紙職人:山口和夫
1947年より和紙職人として従事し、1981年に(財)伝統的工芸品産業振興協会より越前和紙伝統工芸士に認定される。
得意な技法は手漉き小判漉で、主に越前生漉奉書を製造している。山口和夫が手作業で作る越前生漉奉書は強さとしなやかさを兼ね備え、浮世絵制作に欠かせないと高く評価を得ている。
描く
浮世絵の制作は、絵師・彫師・摺師の分業で完成します。
絵師は浮世絵の基となる版下絵(原画)を描きます。
彫る
版下絵を受け取った彫師は、最初に主版(輪郭線だけを残して彫った板)を完成させ、構図を色ごとに分けた色版を彫っていきます。
摺る
版木を受け取った摺師は、主版から摺り始め、その後薄い色版~濃い色版の順に摺り重ねていきます。
順序摺
右にスライドして摺の工程をご覧いただけます。
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